#知っておきたい間違った使用による健康被害

ED治療薬の事故や緊急搬送の事例

世の中にはさまざまなED治療薬が存在しており、それらを服用することによって悩みを解消できた方は多くいます。しかし、ED治療薬を間違った方法で使用してしまうと、事故や副作用などを引き起こすリスクがあるため、注意する必要があります。

実際に日本国内でも、ED治療薬を間違った方法で使用したことによって、深刻な事態に発展したケースは見られます。

1990年代に60代の男性がED治療薬を服用したところ、しばらくしてから倒れてしまい、そのまま緊急搬送されました。救助隊が到着した時点では既に心肺停止の状態であり、医療機関への搬送後に死亡が確認されました。

この男性の問題点は、ED治療薬を知人の方から譲ってもらった点にあります。
男性自身が処方された、もしくは自ら調べて購入したわけではないため、男性はED治療薬の正しい使用方法や、併用禁忌薬を知らなかった可能性があります。
事実として、死亡した男性は高血圧と糖尿病・不整脈を患っており、使用したED治療薬の併用禁忌薬とされているニトログリセリンを日常的に使用していました。このように、ED治療薬はほかの薬物と反応してしまうことがあるため、事前に安全性を確認しておく必要があるのです。

特に、併用禁忌薬やリスクが高まる疾患については、事前に調べておく必要があるでしょう。ED治療薬によって併用禁忌薬などは異なるため、各治療薬の特徴をしっかりと掴んでおくことが大切になります。

ED治療薬の主な併用禁忌薬を知っておこう

ED治療薬の先発医薬品のひとつである「バイアグラ」は、塩酸アミオダロン製剤・硝酸剤の一部とは併用することができません。また、慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療薬も、バイアグラの併用禁忌薬に含まれています。

バイアグラとこれらの医薬品を併用してしまうと、症候性低血圧を引き起こす恐れがあります。バイアグラは全身の血圧に影響を及ぼす可能性がある治療薬であるため、血液に関する疾患をお持ちの方は、特に注意する必要があるでしょう。

同じく先発医薬品である「レビトラ」も、硝酸剤の一部・慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療薬との併用が禁止されています。また、ほかにもHIV治療薬・カビによる感染症の治療薬・抗不整脈薬などが、併用禁忌薬に含まれています。

レビトラはED治療薬の中でも、特に併用禁忌薬が多く存在している医薬品です。
服用によって心臓の働きに異常を来す恐れがあるため、レビトラやレビトラのジェネリック医薬品の使用を考えている方は、事前に併用禁忌薬を確認しておきましょう。

比較的副作用のリスクが低いとされている「シアリス」についても、硝酸剤の一部・慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療薬が併用禁忌薬に含まれています。このように、ほとんどのED治療薬は併用禁忌薬が存在しているため、特に疾患歴・現在何らかの疾患を抱えている方は、細心の注意を払うようにしましょう。

事故防止には食べ物にも注意しましょう

バイアグラやレビトラに関しては、食事の影響を受けやすいED治療薬であるとされています。したがって、事故や副作用などのリスクを抑えるためには、服用前や服用後の食べ物にも注意する必要があります。

特に注意が必要になる食べ物としては、「グレープフルーツ」を挙げることができます。グレープフルーツにはフラノクマリン酸と呼ばれる成分が含まれていますが、この成分にはED治療薬の効果を高める作用があります。

したがって、ED治療薬の使用前・使用後にグレープフルーツを食べてしまうと、その分副作用のリスクも高まる恐れがあるのです。同様の理由で、ほかの柑橘系のフルーツについても、摂取しないことが望ましいとされています。

このように、ED治療薬は使用方法を間違ってしまうと、思わぬリスクが生じることもあります。自分にとって安全性の高い治療薬を選び、正しい方法で使用するようにしましょう。また、各治療薬の副作用の症状を認識しておくことも大切です。

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