#ED治療薬のジェネリック医薬品とは

ED治療薬のジェネリック医薬品について、その全体像を解説します。

【1】先発薬との違い

先発薬と後発薬(ジェネリック)の大きな違いは、何よりも価格です。消費者から見て、先発薬の5割以下の価格で購入ができるのは驚くべきことです。

この違いが出る理由は、研究開発費用の金額によります。先発薬は成分研究や開発、効果や安全性を確認するための臨床試験などにかけた費用を医薬品の価格に乗せているため高価になります。それに対してジェネリック医薬品は、先発薬との同等性を証明するための費用と、薬剤の製造コストだけで済むため価格を抑えることが可能です。

【2】効果はあるか

ジェネリック医薬品は、先発薬と同じ主成分を使用しています。そのため、主成分の作用は先発薬と変わりません。顆粒・粉末・シロップ状など、先発薬にない形状で出されるジェネリック医薬品もあります。

ただし飲んでから効き始めるまでの時間や薬効の持続時間などは、製造工程の違いや薬剤の形状の違いが影響する場合もあります。例えば、錠剤よりも顆粒やシロップ状のほうが体内への吸収が早く、効果が出やすい傾向があります。

【3】開発工程

後発医薬品の開発は、主に先発薬との同等性を証明するために行われます。有効性・安全性が確立された先発薬の成分と同等の効果を持っているか、成分として品質が充分に安定しているかを試験し、国の承認が通れば製造・販売が許可されます。

【4】製造工程

日本国内で製造されるジェネリック医薬品は、製造工程も基本的には先発薬と同等です。ただし形状を変える場合や技術の進歩からより優れた製法が採用できる場合はその限りではありません。

また、インドのように、近年まで「少し製造方法を変えれば同じ成分を使っても特許侵害にあたらない」という法律のあった国で製造する場合は、故意に製造工程を変更することもあります。

【5】インドが多い理由

後発医薬品にインド製が多いのは、その特殊な特許事情にあります。

現在ほとんどの国で、新薬の開発完了後一定期間(日本では最大25年)は後発医薬品を作ることができません。新薬の開発にかけた金額の回収が済む前に安価な後発薬が流通すると、新薬の開発が出来なくなってしまうためです。

しかしインドでは2005年まで、同じ成分を使っていても製造方法を少し変えれば新薬とは別の医薬品と見なし、特許侵害にあたらないとされていました。

現在でもインドでは安価なコピー医薬品が多く製造され、経済的に貧しい国を中心に流通しています。そのような事情から、「インドは途上国の薬箱」とも言われています。

【6】安全性の見極めが大切

このように、インドで製造されるコピー医薬品は、日本で定義される狭義の後発医薬品とは異なるものです。また、製造工程や梱包の安全性、保管環境の清潔さなども日本の感覚とは違うため、個人輸入でインド製の医薬品を入手して、箱のつぶれや汚れ、個包装の破れなどに驚く方も多いようです。

海外から個人輸入されるED治療薬の5割超が偽物であるという調査結果も存在します。個人輸入の際にはこれらのリスクがあることを知ったうえで、安全性を見極める必要があります。

【7】ピルカッターは必需品

国外で流通する医薬品の多くは、その国に合わせた分量の有効成分が含まれています。

日本人は小柄な民族であるため、海外の医薬品は「強すぎ」にあたり、そのまま服用するべきものではありません。たとえばバイアグラで比較すると、海外品は一般的に国内で処方される最大量の2倍もの有効成分を含んでいます。副作用の恐れが高くなるため、必ず分割し、ごく少量から服用を始めましょう。

ED治療薬のジェネリック医薬品とはTOP

ページトップへ戻る