ED治療薬にもさまざまなものがありますが、その中のひとつに「クエン酸シルデナフィル」と呼ばれている治療薬があります。クエン酸シルデナフィルはバイアグラのジェネリック医薬品(後発医薬品)であり、バイアグラと同様の主成分を含んでいるとされています。
元々クエン酸シルデナフィルは、狭心症の治療薬としてイギリスで開発されていました。
その過程で被験者に投与したところ、陰茎勃起の症状が確認されたため、ED治療薬として注目を浴びるようになりました。その後はED治療薬としての研究が進められ、ED治療薬としての有効性が認められたとされています。
ただし、クエン酸シルデナフィルには性欲を高める作用はありません。
このED治療薬の主な作用としては、性的刺激後の勃起機能の改善や、勃起の維持などを挙げることができます。
クエン酸シルデナフィルのメリットは、ジェネリック医薬品であるため、バイアグラよりも価格が安いという点です。容量50mgの製品の価格を比較すると、バイアグラよりも4,000円~5,000円前後安く販売されているケースが見られます。
ただし、クエン酸シルデナフィルには併用禁忌薬物がいくつか定められているため、その点には注意が必要です。日常的に何らかの薬を服用している方は、事前に併用禁忌薬物についてしっかりとチェックする必要があるでしょう。
クエン酸シルデナフィルには、いくつかの副作用が確認されています。
国内のデータでは、クエン酸シルデナフィルを25mg~50mg投与された157人の被験者のうち、40人に副作用・31人に臨床検査値異常変動が確認できたとされています。以下は、確認された副作用とその割合です。
視覚障害については、眼球充血や光視症、彩視症がそれぞれ1件ずつ確認されました。また、海外で行われた臨床試験(被験者823人)の副作用データは以下となります。
ほかにも、クエン酸シルデナフィルには肝臓や皮膚、呼吸器などへの影響があるとされています。
クエン酸シルデナフィルの使用を考えている方は、自分が特に注意するべき副作用をしっかりと確認しておくことが大切になります。副作用が心配な方は、はじめは少量ずつ使用するようにし、体調の変化を細かくチェックするようにしましょう。
国内の大学の論文によると、クエン酸シルデナフィルの主成分は、陰茎勃起に必要な海綿体の内部に存在している、PDE-V(ホスホジエセテラーゼ)を阻害するとされています。この作用によって、陰茎部分の細胞内濃度が増加し、高い濃度の状態で維持されることになります。
通常の勃起では、勃起後にcGMP(環状グアノシン一リン酸)が血管細胞内に増えることによって、血管が弛緩し勃起がおさまります。しかし、クエン酸シルデナフィルを服用すると勃起後も血管が弛緩しないため、通常よりも勃起が持続するとされています。
クエン酸シルデナフィルによる効果はこのような仕組みで起こるため、服用したとしても性的刺激を受けることがなければ、勃起することは難しいとされています。服用によって勃起後の維持力・硬さなどを改善できる可能性はありますが、勃起自体を引き起こす治療薬ではないということを理解しておきましょう。
クエン酸シルデナフィルを服用し、悩みが改善されたといったケースは少なくありません。ただし、全ての方、どのようなシチュエーションにも有効であるわけではないため、特徴をしっかりと把握しておきましょう。